カンボジアの保健医療現場とNGO活動
2010.03.01
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◆ エコモチ支援先NPO/NGOニュース ◆
シェア=国際保健協力市民の会
「カンボジアの保健医療現場とNGO活動 ~シェアスタディツアーより」
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HIV感染の有無に関わらずお互いに協力していける社会を目指して、海外及び
日本で保健医療支援を行っているシェア。
エコモチではHIV/エイズに対する活動を支援しています。
今回は、2009年8月に行われたカンボジアへのスタディツアーについてお伺い
してきました。
━カンボジアの保健医療事情━
ポル・ポト政権時の悲しい内戦の爪あとが今でも残るカンボジア。多くの国民
虐殺によりカンボジアの政治・経済の基盤は崩れ、数々の制約が保健医療制度
の改善の妨げとなっています。カンボジアの妊産婦死亡率は日本の90倍、5歳
未満の子どもの死亡率は約22倍という厳しい現実です。
このような状況の原因として、保健医療機関の不備、保健スタッフの知識及び
技術不足、栄養状態や衛生環境の悪さ、住民の保健衛生に関する理解の不足等
が考えられます。
━カンボジア プレイベン州での活動━
シェアが活動するプレイベン州はカンボジア国内で最も母子保健状況の悪い州
の一つです。乳幼児の罹患疾患の7割が下痢や急性呼吸器感染症といった予防
可能な病気で占められており、その多くが容態が悪化してから保健施設に運ば
れているという状況が背景にあります。このような状況に対し、シェアは農村
地域において子どもと母親の健康増進を目的とした“包括的健診活動”の強化
を目的とした活動を行っています。住民に一番近い保健センターのスタッフが
早期発見・早期診断を行うことによって病気の重症化を防ぎ、また村の代表か
らなる保健ボランティアと協力して、より良い保健サービスを地域の人々に提
供できるよう支援しています。
━カンボジアで今何ができるか?━
今回のスタディツアーでは、都市部と農村の医療施設見学や、村人に
インタビューしながら村の中を歩き保健医療の課題を実際に探りました。そし
て最終日に参加者達は「今のカンボジアで何ができるか?」というテーマでグ
ループディスカッションを行いました。
そこでは、物資や資金を援助したり、成果を求めることに重きを置くのではな
く、カンボジア人自身が保健衛生の必要性を感じ、自らの手で無理せず進めて
いける活動を行うことが大事であり、そのためには様々な工夫が必要だという
ことが話し合われました。
現地を訪れて感じたことを、会話や文章、イベント等で、声に出して発信して
いくこと、まずはここから始めていきたいと参加者達がそれぞれ感じたツアー
でした。
スタディツアーは毎年、夏休みの約8日間、タイ・カンボジアの農村に滞在し、
行われています。皆様のご参加を心よりお待ちしています。5月より募集開始
予定です。
シェア=国際保健協力市民の会
http://share.or.jp/