暑中見舞いの日
1950(昭和25)年、暑中見舞いはがきが初めて発売された。
「今日は何の日~毎日が記念日~」より)

外交上・競争優位上のチャンスとリスク
今年もそろそろ暑さがやってきますね。
暑さといえば、近年では地球温暖化が叫ばれているわけですが、先日、麻生首相が記者会見にて、日本が目指す2020年の温室効果ガス削減の中期目標について表明しました。その内容は、温室効果ガスの排出量を2005年比で15%削減することを目指し、この15%という数字には排出枠の購入分や森林吸収分などを含まないというものです。
首相は、欧米の目標が排出枠購入分や森林吸収分を含めた数字を提示しているのに対し、日本の目標は自国での削減努力を表したものであり、「日本の目標は欧米を上回る」ということを強調しようとしています。
この表明には、環境問題においてリーダーシップをとりたいという日本の思惑があります。同じような思いは欧米にもあるでしょう。それは、今や環境問題が国家の威信にかかわる、国家にとってチャンスにもリスクにもなり得る課題であるからです。
国家だけでなく、企業にとっても同じことが言えます。より優れた環境対応で売り上げを伸ばす企業がありますし、同時に、環境を無視した経営が露呈して売り上げを落とす企業があります。企業にとって環境問題は競争優位を確保するために避けては通れない課題です。

環境問題に取り組む理由
私は、国家や企業が環境問題に取り組むきっかけが、外交上または競争優位上のチャンスまたはリスクとしてであっても、それが間違いだとは考えていません。環境問題をチャンスと捉え、前向きな対策を施していくことが重要です。
しかし同時に、環境問題は国家や企業を越えて解決しなければならない問題です。目標がすり替われば、おのずと結果も変わってきます。どうして環境問題に取り組むのかということを、常に念頭に置かなければならないと思います。
そして、私たちの心がけを変える環境問題というチャンスを、逃すわけにはいかないと感じています。