語り手
 株式会社ラッシュジャパン
 エシカルコミュニケーションチーム PR スーパーバイザー 
 椎木麗様
聞き手 
株式会社フルハシ環境総合研究所
 エコモチ事務局 猪鹿倉陽子

今回はフレッシュハンドメイドコスメの会社であるラッシュジャパン様にエシカルについての考え方やラッシュとしての取り組みをお伺いしてきました。
ラッシュジャパン様はエコモチ事務局からのお知らせメールの中からエコモチ支援団体の財団法人ジョイセフ様の活動を知り、ミャンマー・サイクロン災害の際、手づくりせっけんの支援を行われたそうです。

【化粧品開発のための動物実験は必要か?】
-ラッシュではお客様に対しても「動物実験反対」のキャンペーンを行うなど、強いメッセージを発信されていますね。
「はい。実は、一般的なボディソープやシャンプー、整髪料、身の回りにある化粧品が開発されるまでには多くの場合、その影響を調べるために動物実験がおこなわれています。自然由来の成分の利用で安全性が確認された成分のみを使っていれば動物実験は必要ありませんが、現在でも新成分の研究や開発のために動物を使った実験がおこなわれています。
しかし、ラッシュは創業当時から「動物実験反対」を主張しており、原料の買い付けは動物実験を行わない会社からのみ行っています。ラッシュの製品は自然由来の成分や長い歴史の中で安全性が確認されている合成物質しか使用していません。」

【ラッシュにとっての「エシカル」とは】
-日本ではまだ「エシカル」という言葉はあまり聞きませんがラッシュでは「エシカル」という言葉をどのようにとらえ、取り組んでいますか。
「エシカルはもともと“倫理的な”という意味ですが、エシカルとは「respect others(他者を尊重する)」ということだと考えています。この場合の他者というのは、地球環境、動物、植物の種、原料をつくる農家、労働者、消費者などすべてのものを指します。他者を尊重するということはエシカル(倫理的であること)につながっていく、という考え方です。
英国のラッシュでは『ダメなことに対してはNOを主張する』という姿勢が強く、コスタリカでの乱獲が問題になっているサメからとれるフカヒレを食べないという反対キャンペーンや、不必要な空港の建設の反対運動への支援などを行っています。
 日本ではこのような方法とは異なった形でラッシュジャパンとしてその国をよくしていくためにメッセージを発信しています。それは企業としての責任だと思っています。」

-「respect others」ですか。たしかにそういうふうに言われると地球環境の問題も途上国の問題についても包括的に表していて、わかりやすいですね。具体的にどのような方法でメッセージを発信しているのですか。
「製品としては動物実験をしていない会社から原料の調達をするということ、原料はできるだけ国産のものを使用し、輸入はアボガドなどの国内で手にいれることが困難なもののみとしています。最近ではバナナがフィリピン産から有機栽培された国産のものになりました。また、『チャリティポット』という商品の商品代金を様々なNPO/NGOに寄付する取り組みもおこなっています。ラッシュのお客様は環境に対しても高い意識をもっていらっしゃる方が多く、店頭でも必ず袋の有無を聞いています。」

【ラッシュからみなさまへ】
-商品やお店からお客様にさまざまなアクションを起こされているんですね。最後に記事を読まれている方々にメッセージをお願いします。
「ラッシュでは『新鮮』『手づくり』『安全』『愉快』をモットーにしています。使いたくなるような楽しい製品を通してエシカルについて知ってほしいと思います。それから、ラッシュの製品に限らず、物を買う時には『その商品はどこからくるのか?』『原料の生産地の状況はどうなんだろう?』『この商品を買ったお金はどこへ行くのか?』など、その商品と社会、地球環境とのつながりを意識してほしいですね。私自身も今の担当になって日頃からこうしたことを考えるようになりました。でも、これはいい変化だと思っています。買い物はある種の『投票』です。自分が納得した商品や企業に票を投げたいですね。」

-ありがとうございました。商品の背景に意識をむけるということが大切なんですね。これからも社会に向けて様々なメッセージを発信し続けていってください!


ラッシュジャパンホームページ
www.lush.co.jp