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◆ エコモチブックレビュー ◆
『しんしんと、ディープ・エコロジー~アンニャと森の物語』
(アンニャ・ライト+辻信一著)
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「ディープ・エコロジー」という言葉を聞いたことはありますか?
「ディープ・エコロジー」の基本的な考え方は「我々は地球の一部である。
我々は地球と切り離すことができない。我々は地球と一体である。」というも
のです。
おおげさに聞こえるかもしれませんが、自分と自然とのつながりを感じる、
ただそれだけのことです。
本書はシンガーソングライターであり、2児の母であり、環境運動家でもある
アンニャ・ライトと環境運動家の辻信一の対談を通してディープ・エコロジー
について書かれています。
マレーシアのサラワクにある熱帯雨林を守る運動をきっかけに、日本やエクア
ドル、ヨーロッパなどで環境運動を行ってきたアンニャの姿が描かれています。
この本を通じて、自分と自然とのつながりについて改めて感じ、考えてみませ
んか。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『幸せって、なんだっけ「豊かさ」という幻想を超えて~』
(辻信一著)
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みなさんは今、幸せですか?
この質問に対し、ドキッとする方は多いのではないのでしょうか。
今回ご紹介する本は、幸せとはなにか、ということについて考えさせてくれる
一冊です。
モノやお金といった豊かさを追求するあまり、人々は競争に勝つことを強いら
れるようになってしまいました。
その中で失ったもののひとつが「時間」である、と著者は説いています。
「お金の豊かさを優先するか、時間の豊かさを優先するか…(中略)…時間を
どんどんお金に換えてゆくのか、お金を減らしてでも時間を取り戻していくの
か、という選択をぼくたちは迫られているのだろう。」(本文より)
お金の豊かさを求め続けた結果失ってしまったものについて考えるととも
に、「幸せって、なんだっけ」と改めて問い直すきっかけとしておすすめです。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『環境倫理は「自然を大切にしよう」の論拠たり得るのか』
(堂前雅史 著 『情況』(情況出版)第3期 vol.7-6, pp.98-110.)
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「自然を大切にしよう」というテーマに対して、皆さんは「大切にすべき自然」
をどのようにイメージしますか。
熱帯雨林ですか。それとも、日本の太古昔から存在する屋久島の森ですか。
それとも沖縄に存在するサンゴ礁でできた海ですか。
環境倫理は『自然を大切にしよう』の論拠たり得るのか」という本の中で、
筆者は、自然に対して、「生身」として接するのか、「切り身」として接する
のかを問いかけています。
例えば、皆さんが森の中で生活をしており、森に生息する動物たちを身近に
感じることができればこれは、「生身」の関係となります。
また、都会に住んでおり、森の恵みを直接受けることができず、例えば加工
された材木を通じて森を感じる場合、自然とは「切り身」の関係になります。
都会に住む人が多くなった今の世の中に対して、筆者の堂前氏は、自らの足元
の都市の環境を自然環境として捉え直し、ひっそり暮らす生物を発見し、共生
を試みることが本当に大切なのではないかと、問題提起しています。
都会に住んでいても、道路の脇には、コンクリートにも負けない、タンポポを
眼にすることがあります。また、その脇には、働きアリたちがせっせと巣を
作っている光栄を目にします。私たちは、その小さな生物の視点に立って、
「たんぽぽは、この環境で快適かな。
ありくん、あなたたちは、うまく生活できているのかい。」と問いかけてみる
必要があるのではないでしょうか。
そうすることで私たちは自然と「生身」の関係を築くことができ、自然を大切
にするために行なうべき行動が見えてくるはずです。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『女子エコ日記 366days おしゃれとエコって両立するの?』
(ヴァネッサ・ファーカーソン 著 講談社発行)
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カナダの大手新聞社の記者をつとめる、買い物大好き、ネコと暮らす独身女性ヴァネッサが、一日一エコに挑戦し、日々の悪戦苦闘をつづったブログが書籍化されました。
邦訳は枝廣淳子さんらが手がけ、先月発売されたばかりの本です。
著者は「エコ素人」の視点から、
“地元産の農薬まみれのリンゴと他国から輸入した有機栽培のリンゴ、 どっちを選んだらいいの!?”
なんていうことに日々悩みます。
1年の後半になるとネタ尽き&エコ生活疲れ?で、ノイローゼ気味に…。
“これってエコだよね!?”という彼女のユニークな目線でのエコ生活を、面白おかしくつづった等身大の文章に引き込まれます。
そんなエコ生活を送りながら「運命の人」をゲットするまでの様子もあり、まるで「ブリジットジョーンズの日記」エコ版のよう?
彼女の“そろそろ何か行動するときなんじゃないの?”という、自分自身への問いかけに感化され、あなたも一日一エコへの挑戦を始めるきっかけになるかもしれない…、そんな一冊です。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『グッド・ニュース』
(デヴィッド・スズキ他 共著 ナチュラルスピリット発行)
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環境問題と言えば、「バッド・ニュース」ばかりのように思えます。
アル・ゴアの映画『不都合な真実』はタイトルからして「バッド・ニュース」を表し、見ようとしない人もいれば、見て絶望してしまう人もいます。
この本では、環境問題の深刻さは事実の半面にすぎないことを明らかにしてくれます。世界には、数々の深刻な問題を解決に導く道筋を示してくれる多くの「グッド・ニュース」があります。単なる「グッド・ニュース」の紹介にとどまらず、なぜそれが「グッド・ニュース」なのか、その「グッド・ニュース」をモデルに他でも展開させるにはどうしたらよいか、そこまでのヒントが詰まっている一冊です。
持続可能性に取り組んでいる人々の共通点として、著者はこう言っています。
“私たちが最初に気づいたことのひとつは、良いニュースを私たちに届けてく
れている人たちを見ると、(中略)。必ず地元に基盤を置いているか、地域の
住民と密接な関係を保っている。”
私たち一人ひとりが持続可能性について考える時、まずは地元から、足元からという視点で考えてみることが大切なのではないかと思いました。
本書は、環境問題をどうしたら解決できるのか、学びたい方におすすめです。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』
(小松易著 株式会社中経出版発行)
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昨年「ガイアの夜明け」で大反響のあった、日本初の「かたづけ士」こと、
小松易(こまつやすし)さんの著作。
景気の低迷、受注減少と苦しい企業経営に、“かたづけ”で打ち克つ!という
偉業を成す企業が、小松さんの指導のもと、続々現れています。
身の回りをスッキリ整理整頓した状態というのは、気持ちがよく、作業の効率
も良いので、エコの大敵“ムダ”を省くのに打ってつけです。
何がどこにあるのかすぐわかれば、お客様へのクイックな対応も可能ですし、
書類を探すというムダな時間を削減できるので、かたづけをすることは会社に
大きなメリットをもたらします。
この本は、先月出版された小松さんの新著で、読むとかたづけがしたくなって
くる不思議な本です。
かたづけ下手な方は、今年は身の回りをスッキリさせてみませんか?
第一歩に、本著の一読をおすすめします。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『企業のためのやさしくわかる「生物多様性」』
(枝廣淳子・小田理一郎著 株式会社技術評論社発行)
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生き物の様々なつながりを表す生物多様性。
2010 年10月には「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が名古屋市で
開催されることもあり、今、大変注目を集めています。
今回は、この生物多様性についてわかりやすく解説されている一冊をご紹介
致します。
生物多様性とはなにか。
なぜ関心が高まっているのか。
生物多様性の現状と今後は。といった総論から、生物多様性が私たちに
もたらす影響や、海外企業、国内企業の具体的な取組み事例まで非常に解り
やすい解説が載っています。
生物多様性の保全により、ブランド消滅をまぬがれたネスレ・ウォーターズ
の事例や、『大量消費、大量廃棄』の象徴であったウォルマートが環境問題
に取り組みはじめたことで得たメリット、サプライチェーンへの影響など、
これを読めば、生物多様性がどのように私たちと関わっているのか理解でき
ます。
生物多様性がなにかわからない。
社内への説明がうまくいかない。
具体的に何をすればよいかわからない。
そうしたお悩みをお持ちの方もこれを読めばそのヒントが得られはずです。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『日本をロハスに変える30の方法 −BUSINESS LOHAS−』
(NPOローハスクラブ著 株式会社講談社発行)
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LOHASはもともとアメリカ西部で生まれたコンセプトです。
そのコンセプトは古来より自然との共生を重視してきた日本人には大変受け
入れられやすく、日本人の約3割がLOHAS層と言われています。
自然調和や「もったいない」という考え方を大事にする日本は、いわば
LOHAS先進国と言えます。
この本では、そんな日本の企業やNPOのLOHASな活動事例紹介を中心
に、社会をサステナブルな方向に変えるヒントを与えてくれます。
例えば、在来種のタネにまでこだわり野菜を栽培している農事組合法人や、
自ら植樹や伝統的技術の伝承も行う工芸村など、これからの時代に役立つ
事例が数多く紹介されています。
三年前に出版された本ですが、改めて読み返して頂きたい一冊です。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『自然に学ぶ粋なテクノロジー なぜカタツムリの殻は汚れないのか』
(石田 秀輝著 株式会社化学同人発行)
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今回は、循環型社会の『ものづくりや暮らし方のかたち』を実現するために
自然や江戸時代から学ぶことについて書かれた一冊をご紹介します。
この本は、人間の本質は生きることを楽しんで暮らすことであり、それは
決して便利なだけの暮らしではないという考え方から始まります。
私たちは便利さを追求し、快適性を求めて、テクノロジーをどんどん発達させ
てきました。
その結果、地下資源を大量に消費し、地球が吸収しきれない程の環境負荷を
地球に与えています。
この問題を解決するために、私たちは生きることを楽しみながら、人間活動の
肥大化を縮小させなければなりません。
こうした新しい生活文明を生むためのヒントが天井を全速力で走るヤモリや、
ハンマーで叩いても割れないアワビの殻といった自然の中に隠されており、
暮らし方、考え方が江戸時代の『粋』から学ぶことができると、この本は
教えてくれます。
身近な日本の生活スタイルに改めて目を向けてみることで、みなさんも新たな
ヒントを得ることができるかもしれません。
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◆ エコモチブックレビュー ◆
『いきものがたり』
(Think The Earth Project編著 ダイヤモンド社発行)
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今回は生きものについて様々な視点で書かれた11の物語「いきものがたり」に
ついてご紹介します。
普段は感じにくいかもしれませんが、私たちの生活は自然や生きものからの
恵みを受けて成り立っています。しかし、自然が壊され、生態系の
バランスが崩れるといずれは私たちの生活も成り立たなくなってしまいます。
この本は生きものから受けている恵みとはどんなものなのか、今生きものは
どうなっているのかについて、分かりやすくコラムや漫画、写真を使って
書かれています。
本の中で心に残った一文をご紹介します。
『道ばたの雑草、ごそごそ動きまわる虫、小鳥のさえずり・・・目のまえに
ある自然を、からだいっぱいに感じてみよう。
あなたが今いる場所は、他のどこにも似ていない場所。ほかのどことも違う
個性をもった、いきものがたりのフィールドです。
世界の生物多様性は、あなたのすぐそばにある自然とつながっています。』
(本文より引用)
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